指導者としての実績を着実に積み上げながら、選手活動も続ける三田村宗明氏と、氏が代表を務める龍門卓球場に通う中高生の協力のもと、初中級者でも生かせるディグニクスの使い方と指導法をお伝えする特別企画。
前回は三田村氏がディグニクス64を生かす技術として、ブロックを紹介してくれた。
今回は、ディグニクス80の性能に合う技術として、三田村氏が「ループドライブに対するカウンタードライブ」を取り上げ、その理由や技術的なポイントを解説してくれる。
【ディグニクス80の特徴】
軟らかさと硬さのバランスがいいので、カウンターしやすい
ディグニクス80は、軟らかさがありつつ、ディグニクス05に近い硬さも感じるラバーです。軟らかさと硬さのバランスが取れたラバーなので、打球をコントロールしつつ、「押し」を加えることができます。そのため、ディグニクス80は、ループドライブに対するカウンタードライブがやりやすいと思います。
ディグニクス80であれば、これまでブロックつないでいたような質の高いループドライブに対して、カウンタードライブで盛り返すプレーができるようになるでしょう。
その点で、ディグニクス80は攻撃選手だけでなく、カットマンにもお勧めです。ディグニクス80なら、「カットを切った後、相手のつなぎのループドライブをカウンタードライブで狙う」というカットマンの王道パターンが安定すると思います。
詳しくは後述しますが、実際にディグニクス80でループドライブをカウンタードライブしてみると、スイングや力加減を自分であれこれ調整しなくても、ラバーに任せれば入ってしまいます。
一般論として、指導者は選手に「自分の力を使って打つ」よう指導するものですが、ディグニクス80の場合は、自分ではなく、ラバーに任せて打った方が、その性能の恩恵を最大限に受けることができて、なおかつ安定するということを実感しました。そのため、ディグニクス80(およびディグニクスシリーズ)は、これまでの指導者の指導方法の常識を変えるラバーになるかもしれませんね。
【ディグニクス80でループドライブをカウンタードライブする時のポイント】
打球点を落とし、ボールの頭(上の方)を捉える
ループドライブに対するカウンタードライブは、相手のループドライブの回転量の影響を受けてオーバーミスしやすい難しい技術ですが、ディグニクス80なら安定させることは難しくありません。
一番のポイントは、「ラケットの打球面をかぶせて、ボールの頭(上の方)を薄く捉える」ことです。
ディグニクス80なら、ボールの頭を薄く捉え、そのままひじを前に出しながらスイングすれば、その性能によってオーバーミスすることなく、台の中に収まってくれます。
ボールの頭を薄く捉えるためには、「ボールをしっかり引きつけて打球点を落とす」ことを心掛けてください。打球点を落とすと、必然とボールの頭を捉えやすくなります。打球面をほんの少しだけ開き、シュート気味に捉えるとよいでしょう。
説明したポイントに加えて、打球する時にボールを手のひらでグッと抑えるイメージでボールを打てば、ループドライブを安定してカウンタードライブできると思います。
<三田村氏の実演解説と選手への指導の模様は下記動画から>
(取材/まとめ=卓球レポート編集部)