指導者としての実績を着実に積み上げながら、選手活動も続ける三田村宗明氏と、氏が代表を務める龍門卓球場に通う中高生の協力のもと、初中級者でも生かせるディグニクスの使い方と指導法をお伝えする特別企画。
前回、前々回では三田村氏がディグニクス05の性能に適した技術を紹介してくれた。
今回は、ディグニクス64を生かす技術として、三田村氏が「ブロック」を取り上げ、その理由や技術的なポイントを解説してくれる。
【ディグニクス64の特徴】
ラバーが軟らかいので、ボールの威力を抑えやすい
ディグニクス64は、ラバーが少し軟らかいのが特徴です。ラバーが軟らかいと相手のボールの勢いを抑えやすいので、ディグニクス64はブロックに向いていると思います。ドライブをブロックした時に打球が暴発しない(不安定にならない)ので、選手に安心感を与えてくれるラバーです。
試合では、自分から攻めるのが怖い時があると思いますが、そうした場面でも、ディグニクス64を貼っておくと、相手に打たせてからの展開で自信を持って勝負できると思います。
ディグニクス64は普通のブロックはもちろんですが、横回転をかけながらブロックするカット性ブロックなどもやりやすいので、相手をかわすプレーのバリエーションが広がるでしょう。
また、ループドライブに対して、少し前に振るようにブロックすると、ボールがすごく伸びて軽いカウンターのようなブロックになるのも、ディグニクス64の見逃せない特徴だと思います。ディグニクス64は、先に紹介したディグニクス05のようにツッツキもよく切れるので、「切れたツッツキを送る→相手がループドライブで持ち上げる→ループドライブをカウンターブロック」というパターンに持ち込みやすいでしょう。
【ディグニクス64でブロックする時のポイント】
ひじの位置を安定させて、ラケットを優しく前に振る
角度だけ合わせたら、ラケットを優しく前に振ることが、ディグニクス64でドライブをブロックする時に心掛けてほしいポイントです。この時、ひじが動いてしまうとスイングや打球時の力加減が不安定になるので、ひじを動かしすぎないよう意識してブロックしてください。そうすると、ブロックに必要な「ボールを飛ばさない感覚」を簡単に実感できると思います。
一方、ループドライブに対して伸ばすようにブロックする時は、バウンド直後の早い打球点を狙い、ラケットの打球面を少しかぶせて、「ボールをラバーの表面でころころと転がす」イメージで打つとよいと思います。そうすると、自然とカウンターのようなブロックを送ることができるでしょう。
<三田村氏の実演解説と選手への指導の模様は下記動画から>
(取材/まとめ=卓球レポート編集部)