今年の全日本卓球選手権大会で表彰台に登った宇田幸矢と戸上隼輔。卓球レポートは、ともに明治大学に進学した2人に、コロナ禍でどのように過ごしたか、先の全日本について、また、卓球選手として、友人としての互いについて余すところなく語ってもらった。
今回は、試合がない中でのモチベーションをどのように維持しているのか、また、2人に共通の悩みであるけがについても聞いた。
「今は焦らずにけがの治療に専念したい」(宇田)
卓レポ もう半年以上にわたって試合がありませんが、卓球に対するモチベーションの維持はどうしていますか?
戸上 緊急事態宣言が出る前にナショナルチームの合宿があって、それが終わると同時に明治大に帰ってきて、こっちで練習を始めました。そのナショナルチームの合宿が終わった時に、倉嶋監督から課題を文章で送っていただいて、それを元に練習をやっています。
僕は両ハンドの速さを追求してミスを少なくすることと、サービスの種類を増やすという課題をもらいました。
宇田 いつもだったら、遠征に行っていたら連戦で「調整」という形が多いのですが、逆に試合がないこの時期にもっともっと今までできなかった部分を克服するために練習量を増やそうと思っていました。今は、腰が痛くて練習ができないので、来月(8月)から少しずつ、ゆっくり自分のペースで取り組んでいきたいと思っています。
今まで卓球をやってきた中で、2カ月練習しないことはなかったので、少し不安はありますが、世界卓球の延期はタイミング的にはちょうどよかったですね(笑) そのおかげで治療に集中できるので。
卓レポ 今は宇田選手が腰の治療中ですが、戸上選手も腰をけがしたことがありますね。
戸上 僕も腰を痛めたことがあって、病院で診断を受けて、腰が悪いと分かったときにはショックでした。一度、痛みが出たら、立てなくなったり、歩くのもつらいくらいなので、卓球はもちろんできません。病院で治らないと言われたので、一生付き合っていく覚悟はできています。
ただ、周りの方々に治療法や練習方法などを教わってきたので、また、痛みが出た時は、教えていただいたことを集中的にやりたいですね。
宇田 今はコロナのせいで大会がないので、練習もトレーニングもストップして、焦らず、腰を休ませながら治療に専念しています。
戸上は結構前から腰痛があると聞いていたので、「どういうストレッチをしたらよくなるの?」とか、大学のオンライン授業で腰に負担がかかっていたので、いいクッションを教えてもらったりしました。腰痛の先輩ですね(笑)
戸上 うれしくないですけど(笑)
ナショナルチームでは1人1人ウエートトレーニングのメニューが違って、(僕には)腰痛の予防になるようなトレーニングが入っていたりするので、腰痛持ちの僕らからするとありがたいですね。
宇田 ナショナルチームだと、その時の状態に合ったトレーニングを教えてもらえるのと、スケジュールがどんなに厳しくてもストレッチだけは必ず時間を確保してやるように言われています。今くらい腰が痛いときは、練習や試合が終わったらアイシングするようにも言われています。
子どもの頃から多くの練習、トレーニングをこなしてきた2人に、大きな身体的負荷が蓄積しているのは不思議ではない。完治が難しいようなけがを抱えながら選手生活を続けていくことには大きな不安も伴うと思うが、予防やアフターケアに留意して、試合では全力のプレーを見せてほしい。
次回は宇田が優勝、戸上が3位と好成績を収めた全日本卓球選手権大会を振り返ってもらおう。
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(取材/まとめ=卓球レポート)