前回の松平健太TV × バタフライのコラボ企画（松平健太がディグニクスシリーズを打ち比べ、松平健太が特殊素材ラケットを打ち比べ）で「分かりやすく的確」「参考になった」と多くの読者・視聴者から好評を博した松平健太選手（ファースト）による試打企画の第2弾！
トップ選手の中でもたぐいまれな感覚の持ち主として知られる松平選手に、今回はテナジー19（2021年3月1日にバタフライから発売）を試打してもらった。（使用用具は松平選手のマイラケット張継科 ALCの両面にテナジー19を貼ったもの）
試打前の予想
「理想のラバーに近い。ポイントは潤いときめ細やかさ」
「テナジー19は今回、見るのも初めてですが、見た目は僕の理想のラバーに近いですね。触った感じが僕の使っているテナジー05に近くて、回転もかかりそうなので期待しています。
ポイントはシートの潤いと、ツブのきめ細かさですね。ツブがきめ細かいほど回転がかかりそうという僕の勝手なイメージです（笑）」
フォア打ち・フォアハンドドライブ
「打球感が軟らかく、『ボールをつかむ感覚』がある」
「まず、打つ前に、球突きをした時の食い込み感がいいですね。
打球感は軟らかいです。球持ちがよく、回転がかけやすいと思います。テナジー05と比べても『ボールをつかんでいる感覚』はすごいあるので、コントロールがしやすいです」
カウンタードライブ
「球持ちがよく、深いボールが入る」
「よく引っかかるし、打球音もいいです。僕がいつも言ってる『キュン』っていう音が鳴ります。球持ちがよくて、深いボールが入るし、やりやすいです。他のテナジーと比べるなら、テナジー05に近い感覚です。
ここまで打った感じだと、フォア面でも全然使えると思います。打球感も威力もテナジー05と遜色ないですね」
バックハンドドライブ
「使いやすいし、飛距離も出る」
「ボールが上に上がってくれるので、すごい使いやすいです。中陣からでも飛距離が出るので、問題なく使えます。
フォア面でも使えますが、どちらかというとバック面の方が使いやすい印象です」
対下回転フォアハンドドライブ
「打球感が軟らかく、コントロールしやすい」
「スポンジ硬度はテナジー05と同じですが、打球感はやはりテナジー19の方が軟らかい感じがします。その分、コントロールもしやすいですね。
以前の試打で、テナジー64とかテナジー80だと、若干下回転を持ち上げづらいと感じましたが、テナジー19にはそれはないです。ボールが上に上がってくれるので、やりやすいです」
対下回転バックハンドドライブ
「使いやすさはバック面」
「回転がかかるし、威力も出るし、いいですね。強いて言うならバック面の方が使いやすいですが、両面テナジー19もいけると思います」
その他の技術
「引き合いは、台から下がっても問題ないですね。後陣で思いっ切りラケットをボールに当てると、テナジー05で中陣で打ったときくらいの打球感に近いと感じます。
チキータも、引っかかりが強いのでやりやすいです。回転がかけやすいので安定します。
ハーフロング処理も、引っかかりがいいので問題なく使えます。あとは、打球感の好みの問題ですね」
総評「軟らかい打球感が好みで、コントロールしやすさを求める選手にお勧め」
「フォア面にもバック面にも対応したラバーだと感じました。フォアハンドの試打をした時点で、バックハンドでも使えるとは思っていましたが、どちらかと言ったらバックハンドの方がやりやすかった印象です。
テナジーシリーズの中ではテナジー05に一番似ていると感じますが、一番の違いは、球持ちが長いけど（スポンジに）食い込んでいる感触があまりないことです。表面（シート）で打っている感触ですね。テナジー05は球持ちも長く、食い込みもいいので、そこが違いますね。僕のラケット（張継科 ALC）のアリレート カーボンで打っている感触もありつつ、木製合板のような（軟らかい）打球感もありました。
出るボールの質は、テナジー05に近かったと思いますが、打球感と打球音は全然違いました。コントロールのしやすさはテナジー19の方がありましたね。僕の予想では、テナジー19は硬いラケットに合うと思います。テナジー19の打球感が軟らかい分、硬いラケットと組み合わせると、うまくマッチするのかな。もともと軟らかい打球感が好きな人は、どんなラケットでも合うと思います。（松平健太が特殊素材ラケット4本でテナジー19を試打 はこちら）
まとめると、テナジー19はディグニクス05のような打球感で、テナジー05のように飛ぶ、コントロールがしやすいラバーですね。ディグニクス05では飛んでいってしまってコントロールできないという人にもお勧めです」
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（まとめ＝卓球レポート）
