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教えて!上D <ドイツ編>
第7回「充恵さんのブンデスリーガのデビュー戦の様子は?」

「卓球界の賢人」こと上田仁が、その確かな実力と見識をもとに、さまざまな質問に答える人気企画「教えて!上D(ウエディー)」が復活!昨年の8月から日本を離れ、ドイツに拠点を移した上Dが、卓球についてはもちろんのこと、ドイツやヨーロッパ各地への転戦の日々についても伝えてくれます。
 今回は、上田選手の奥様の充恵(みさと)さんがドイツ・ブンデスリーガでデビューされたそうで、その様子を充恵さんに伝えていただきました。

Q.充恵さんのブンデスリーガでのデビュー戦はどうでしたか?

以前行ったインタビューで充恵さんが話されていた通り、ブンデスリーガでデビューされたそうですね。その時の様子や心境について聞かせてほしいです。(能あるたかひろ:卓球レポートスタッフ)

A.「今までの自分の当たり前を覆される感覚」がとても新鮮でした

 上田が所属しているケーニヒスホーフェンの第4チームの一員として、これまでバイエルン州北西部のリーグに3試合出場しました。チームは男女混成で、さまざまな年齢の方が所属しています。下部リーグのため、当然、ブンデスリーガ1部の試合のように大きな体育館で観客を入れて試合をするわけではありませんが、試合がホーム&アウェー方式で行われることや、日本人などの外国人枠にあたる人は1試合につき1人しか出場できないなど、ブンデスリーガ1部と同じルールが適用されています。

 ドイツに来る前から「卓球を再開できたらいいな」と考えてはいましたが、私は海外での試合に出場した経験がない上に、10年近く卓球から遠ざかっていたので、いざ自分が試合となるとやっぱり不安でした。試合の前日に練習をしては筋肉痛になるかと思い、張り切って試合の2日前に上田に練習をしてもらいましたが、筋肉痛になるほど動けもしませんでした。そんな私の姿を見て上田の方がなんだか不安そうでしたね(笑)。

 試合に向かうにあたっては、同じ第4チームで時々プレーをされている板垣さん(ケーニヒスホーフェン監督の板垣孝司氏)の奥様に「いろいろな人がいて楽しいよ。人生の経験として出てみて損はないと思う」と背中を押していただいたのですが、試合に出てみての感想はまさにその通り。対戦相手との試合前の乱打で1本目にスマッシュを打ち込まれたときは「そういうことか!」と思わず笑ってしまいました。
 プレースタイルも個性的、独創的な方が多い印象です。試合中においしそうにビールを飲んでいる方もいて、今までの自分の当たり前を覆される感覚がとても新鮮でした。

アウェーマッチの様子。学校の体育館やホールなどで試合が行われる

 
 第4チームの試合は6人で出場するのですが、ダブルス3試合から始まってシングルス12試合へと続き、9点先取で勝利となる長丁場です。私はまだ経験がないのですが、シングルス12試合が終わった時点で8-7になるとダブルスに戻るのだとか。そのダブルスを任されるとなると1試合で1人が4回も試合をすることになります。
 私のデビュー戦はダブルスで、1球ごとにパートナーが声をかけてくれるので心強かったです(下に紹介しているチームの集合写真で私の上に写っているおじさまと組みました)。チームメートには「みさと強いね!最高!」というようなことを言っていただいて、とてもうれしかったですね。勝ててよかった、安心したということもありますが、何より「卓球って楽しいな!」というのが初戦を勝った時の心境です。

 試合の多くは金曜日の夜、20時頃から始まるので深夜近くまで試合をするというのも驚きですが、対戦チームによっては試合後、双方のメンバーが集まって会食があることにもまた驚きです。ドイツでは「Schönes Wochenende!(良い週末を!)」というあいさつが使われるのですが、日本でいう「華金(華の金曜日=金曜日が夜遅くまで遊んだり思いきり羽を伸ばしたりできる日であることから生まれた言葉)」に思う存分体を動かして、ビールを飲みながらたくさん会話をして、素敵な週末をスタートさせるというのがドイツ流なのかもしれません。

 今回、せっかくドイツに来たのだから家に閉じこもっているだけではもったいないという思いから卓球を再開しましたが、やっぱり良いものですね。私はまだドイツ語がほとんど分からないので対戦相手はもちろん、チームの方々ともろくに会話ができないのですが、それでも楽しいと感じられるのは、そもそも卓球というスポーツが楽しいからなのかもしれません。私が卓球に対して抱いていた「昔できていたことができなくなっていく感覚」はもうなくなり、今はただ打ったボールがコートに入ったことに喜びや楽しさを感じています。

 今のところ、対戦相手に恵まれていたということもあると思いますが、ダブルスで3回、シングルスで5回出場して全勝中です(ニヤリ)。卓球は楽しいですが、まだ子供たちが卓球に興味を示していないこともあって、本腰を入れて練習したり、もっと高いレベルでやりたいとは思っていません。
 卓球を自分のコミュニティーを広げるツールとして活用し、楽しみながら、少しずつドイツ語を学んで、出会うたくさんの方々と一緒に卓球をしたり会話をしたりしながら自分の世界を広げられたらと思います。

チームメートとの写真。対戦チームの年代もさまざまだそう


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(写真提供/文=上田充恵 まとめ=卓球レポート編集部)

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