今回の達人 大矢英俊(東京アート)
勝つためのテクニックを達人がレクチャーする「究める」シリーズ。第13回は大矢英俊選手(東京アート)が、右横下回転ロングサービスを究めるポイントを伝授する。
※本文の技術解説は右利きプレーヤーを想定しています
サービスのバリエーションの一つとして必ずマスターしたいのが、ロングサービスだ。威力のあるロングサービスを出せると、相手のレシーブのリズムを乱したり、相手に警戒心を与えたりできることに加え、ショートサービスの効果も高まる。
今回は、思い切ったロングサービスからの速攻を得意とする大矢選手が、自身の得意サービスである右横下回転(ボールを真上から見て時計回りに回っている右横回転に下回転が加わった回転)ロングサービスを究めるためのポイントを伝授してくれる。
【究めるポイント①】
半円を描くように鋭くスイングし
ボールの横下を強くこする
達人からのアドバイス
右横下回転ロングサービスを出すと、このサービスの回転の性質上、こちらのバック側にスピードがそれほど速くないレシーブが返ってくる傾向があります。そのボールを、打球点の早いバックハンドドライブで攻めるのが僕の得意パターンです。
このサービスを出すときは、腰を軽く右にひねりながらラケットを肩の高さあたりに引き上げて準備します。このとき、打球面は上向きにし、左足を少し浮かせるようにして右足に重心をかけておきます。
そうして準備したら、ラケットの先を下げながらラケットを振り下ろし、ボールの横下を瞬間的に強くこするように打ちます。左足を着地させる勢いを利用し、ラケットで半円を描くように思い切りスイングしてボールに強く右横下回転をかけましょう。
【究めるポイント②】
第一バウンドはエンドラインを狙って思い切りスイング
達人からのアドバイス
僕がこのサービスを出す上で最も心掛けているポイントは、「第一バウンドはエンドライン付近を狙う」ことです。
エンドラインあたりに第一バウンドさせることを狙って、上で述べた要領で思い切りスイングすると、回転が強くてスピードが速い右横下回転ロングサービスを出すことができます。
「できるだけ台の高さに近いところでボールを捉える」こともポイントです。そうすると、ボールが高く弾むのを抑えられるので、低い軌道のロングサービスを出すことができます。
【究めるポイント③】
リードしている場面で積極的に使う
達人からのアドバイス
僕が試合で右横下回転ロングサービスを使うのは、リードしている場面が多いです。1本でもリードしていれば、怖がらずに鋭いスイングで出せるので、サービスに威力が出ます。反対に、リードされているときにこのサービスを出そうと思っても、気持ちが消極的になっているのでスイングが鈍り、威力を出すことが難しいでしょう。
このことを踏まえ、右横下回転ロングサービスをマスターしたら、ぜひ試合でリードしている場面で使ってみてください。そうすると、思い切ってスイングできるので、このサービスの効果が実感できると思います。
(取材/文=猪瀬健治 写真=佐藤孝弘 動画=小松賢)