卓レポ.comでは例年通り世界卓球の速報を現地からお届けする。それに先立ち、名解説としても知られる坂本竜介氏に世界卓球2018ハルムスタッドの行方を聞いた。まずはチャンピオンシップの男子の予選グループリーグから。各グループ6チームのうち、上位3チームが決勝トーナメントに進出する。
<グループA>
ドイツ、香港、スウェーデン、エジプト、ルーマニア、スロベニア
このグループはドイツが頭一つ抜けていますね。ボル、オフチャロフ(ともにドイツ)がいつも通りの調子であれば、1位通過は間違いないでしょう。2番手としては、香港とスウェーデンが挙げられます。香港は黄鎮廷がドイツ戦で2点を挙げれば、3番で何鈞傑がフィルスかフランチスカに勝つという可能性はあるでしょうね。開催国のスウェーデンはM.カールソンとK.カールソンを2点起用で、3番はケルベリ、Jon.パーソン、モアガルドの調子を見ながらという感じになると思いますが、基本的には力をつけてきているケルベリを使うでしょう。モーレゴードも出れば面白いプレーをしそうだなと思いますが、ドイツに勝つのは難しいでしょう。香港との2位争いはいい勝負になると思います。
上位争いには絡んでこないと思いますが、個人的に注目しているのが、スロベニアのヨルジッチです。バックハンドが非常にうまく、ヨーロッパ選手権大会でオフチャロフに勝っていますし、チームの総合力としては上位3カ国には劣りますが、ドイツ、香港、スウェーデンに対しても勝ち星を挙げるチャンスはあると思います。
<グループB>
中国、ポルトガル、ブラジル、ロシア、チェコ、北朝鮮
中国の1位通過は100%に極めて近いと言えるでしょう。順当に行けば、ポルトガル、ブラジルが通過すると思いますが、ポルトガルは主力の3人アポロニア、フレイタス、モンテイロが若干力を落としてきているので、安泰とは言えないと思います。アポロニアもフレイタスも今勢いのあるカルデラーノに勝てるでしょうか。私は厳しいと思います。そうなると、3番でツボイがモンテイロを破る可能性は十分にある。
北朝鮮は未知数ですが、メンバーを大幅に変えてきたロシア、タレントのいないチェコは厳しいでしょう。ポルトガルとブラジルの対決が一番楽しみですね。
<グループC>
日本、中華台北、イングランド、ベルギー、ベラルーシ、シンガポール
1位通過を目指す日本の一番のライバルは中華台北になるでしょう。中華台北は荘智淵、陳建安の2点使いでしょうから、日本の水谷隼、張本智和との対決になりますね。水谷は基本的には2人に対しては分はいいですし、張本も先日のアジアカップで荘智淵に勝っているし、左利きの陳建安には張本のバッククロスが非常に効果的だから、普通に調子を出せれば3対0で勝てると思います。
クアラルンプール大会の準決勝で対戦したイングランドも油断はできないです。ピッチフォードとドリンコールの2点起用だと思いますが、ピッチフォードが当たっていれば水谷、張本から2点を取る可能性はあります。ただし、しっかり前半でピッチフォードから点が取れればあっさり勝てると思うので、ピッチフォードを調子に乗せないようにしてほしいですね。
ベラルーシもサムソノフが2点を挙げる可能性もありますが、3点目が取れないでしょう。日本は実力では断トツだと思いますが、中華台北、イングランド戦は力を出し切って戦わないと勝てませんね。
<グループD>
フランス、韓国、オーストリア、インド、クロアチア、ポーランド
韓国が強いと思いますが、丁祥恩が出てこないというのは他のチームは戦いやすくなるでしょう。丁祥恩は馬龍にも勝ったことがあるし、先日のアジアカップでは張本にも勝っていますし、丹羽も分が悪い。日本にとって、中国、ドイツはもちろんですが、次に怖い韓国がこのメンバーというのは少しラッキーだと思います。ただ、予選では李尚洙と鄭榮植の2点で基本的には1位通過できると思います。
フランスはS.ゴズィーとルベッソンが主力で頑張ると思います。他のチームよりは上回っていますが、韓国には勝てないでしょう。
このグループは3位争いが予想しづらいですね。フェゲアル、R.ガルドシュのいるオーストリアが有力ですが、インドも意外にタレントがそろっています。クロアチアはガシナに加えて、長身でパワフルな両ハンドを振る若手のプカルがいるので、3位に食い込む可能性はあります。ポーランドはディヤスが楽しみですが、3点目を取れる選手がいません。このグループはやってみなければ分からないというのが正直なところですね。
(取材=猪瀬健治/まとめ=佐藤孝弘)
[選手インタビュー]
坂本竜介が大胆予想!世界卓球2018ハルムスタッド <男子予選グループリーグ編>
2018.04.24
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