少年時代から世界中を飛び回って活躍している水谷隼選手。その水谷選手が、飛行機での移動中に読む本のジャンルは多岐にわたるという。「いろいろです。小説を読んだりとか、それこそ、体のトレーニングの本を読んだりとか」と水谷選手。これまで何となくだが、水谷選手はフィクションはあまり好まないのではないかというイメージを持っていたので、小説を読むことは少し意外だった。
さて、水谷選手が本を読むエピソードというと、月刊「卓球レポート」2004年11月号のインタビューが思い出される。ドイツで武者修行していた水谷隼選手(当時15歳)、岸川聖也選手(当時17歳)、村守実選手(当時19歳)の3人にインタビューした記事(抜粋)だが、10代だった水谷選手たちの会話がおもしろくて、微笑ましくて、記憶に残っていた。
■月刊「卓球レポート」2004年11月号より
記者 水谷君から見て、一緒に生活している先輩たちはどう?
水谷 ......こ、こわい......。
岸川 怖い? 怖いわけねーだろ。
村守 こんなに優しい先輩たちはいねーよ(笑)。
岸川 そうだよ、隼ちゃんが寝坊するから起こしてあげてるのに。
水谷 ......そうだった。みんないい人たちです! でも、僕は朝が弱いんですよ。全然起きられない。
岸川 夜、早く寝ても?
水谷 いや、早く寝たら大丈夫。
村守 ......ってことは、夜更かししているってことか?
水谷 いや~(笑)。でも最近ね、本を読み始めたんですよ。朝2時間早く起きれば人生が変わるっていうような感じの本を読んでるから、ちょっと2時間くらい早く起きてみようかなと思ってます。
岸川 いつもは2時間ゆっくり寝てるじゃん(笑)。
村守 2時間も早く起きなくていいから、とりあえず今より30分早く起きろよ。いや、まずは10分が目標だ。
水谷 そうだね。とりあえず本をまだあまり読んでないので、これから読んで......。
岸川 意味がわかんねーよ。
村守 さっき読んでるって言ったじゃねーか。
水谷 いやいや、まだ読み終わってないってこと。まだ途中だからその本を読み終わったころには、毎日2時間前に起きてます!
岸川 絶対にありえない。
水谷 たぶん2時間前に起きて、ランニングしてます。
取材=猪瀬健治 文=川合綾子
インタビュー記事=山松謙三