歴史
ピンポンの伝来
19世紀後半にイングランドの上流階級の間で"ピンポン" が発明された当時、使用していた用具は、葉巻タバコのケースの蓋を利用したラケットやシャンパンなどのコルクを丸く削ったボールといった即席のものであった。また、ネットの代わりには本を横並びにしていたという。
やがて、"ピンポン"が人気になるにつれ、用具も次第に進化し、変化していった。右の絵画は1901年に描かれたものであるが、そこには柄の長いバンジョーラケットを用いてラリーを楽しむ姿が描かれている。また、テーブルの横にサポートが取り付けられて、ネットが張られていることも分かるだろう。
この"ピンポンセット"が1902年に日本に持ち込まれ、日本での流行のきっかけとなった。
展示ラケット
バンジョーラケット
木材で作られたフレームに羊の皮を張り合わせて作られたバンジョーラケットの一種。柄の部分がかなり長めとなっている。写真の2本ラケットは同タイプのものだが、重量は96gと86gと少し差がみられた。
サポート
以前に使用されていたネットサポート。台に取り付ける部分は金属で、支柱の部分は木材で作られている。また、支柱にはネットを固定するためのひもを通す穴が開いているなど、工夫がある。
ネット
以前に使用されていたネット。詳細な製造年月や使用期間などは不明。非常に細い紐で繊細に作られていて軽い作りとなっている。