歴史
およそ70年前のラケットとサポート
バタフライ卓球道場には、1902年にアメリカで製造された卓球セットが保管され、また、その後に使用されたラケットや備品なども保管されている。これらの存在により、用具や備品の発展や進化を見ることができる。
今月ご紹介するのは、先月ご紹介したものからおよそ10年後にあたる、今からおよそ70年前にアメリカで製造されたラケットとネットサポート。ラケットは、板にグリップを取り付ける形のもので、現在の形に近いものとなっている。一方、ネットサポートは形状やしくみに大きな変化は見られないが、デザインなどに変化が加えられている。
これらの資料は、アメリカの名選手として名を馳せたソル・シッフ氏からバタフライ卓球道場に寄贈されたものである。
ソル・シッフ
アメリカが生んだ名選手。14歳で全米チャンピオンとなる。その後30余りの全米タイトルを獲得。世界卓球選手権大会では団体(1937年バーデン大会)、男子ダブルス(1938年ウエンブレー大会)に優勝。"ミスター・テーブルテニス"と呼ばれている。1917年ニューヨーク生まれ。
展示内容
ラケット
木製のラケット。単板を思わせる板にグリップ剤を取り付ける、現在のラケットとほとんど同じような製法を作られたと思われる。表面には紙やすりのように表面がザラザラのものが張られている。ラケット全体の重量はおよそ130g前後となっている。
ネットサポート
木製の支柱に金属製のフックが取り付けられたネットサポート。構造はおよそ10年前と同じ形になっているが、テーブルとの接触面に滑り止めの布を取り付け、ネットの紐を引っ掛ける部分にデザインされているなどの、細部の改良が見られる。